油隙欠陥を含むOFケーブル接続部モデル電極系での設計電界下における部分放電特性推移

摘要

OFケーブルにおける絶縁体の劣化は緩やかであると考えられてきたが，近年，経年OFケーブル接続部の撤去品解体調査結果などから部分放電（PD：Partial Discharge）の痕跡が認められる事例が報告されている。OFケーブル接続部のPDに関しては，油隙欠陥を含むOFケーブル接続部でのPD現象を把握するためのモデル電極系（以下，モデル電極）で275kV級OFケーブルの設計電界下でPDが連続して発生することが報告されており，設計電界下で連続的なPDが継続することで絶縁体の劣化が進行し絶縁破壊に至るごとが懸念される。著者らはこれまでに，絶縁紙を積層して平行平板電極に挟み絶縁油を真空含浸させたシート試料において，大気圧下かつ設計電界下で連続的なPDが継続した後に絶縁破壊に至ることを確かめた。本報では，油圧や試料形状が実線路に近い条件となるモデル電極を用いて，設計電界下でのPD特性推移を測定した結果を示す。