微生物検査装置用疎水溝型マイクロ濃縮器

摘要

近年、水や食品などの安全管理の重要性が増している。当研究グループでは迅速かつ計数可能な微生物検出装置開発を試みている。諸要求仕様を確認したところ、前処理工程で10倍濃縮が必要となった。濃縮工程は連続処理が可能で、微生物損傷を防ぐために低温（40°C以下）で渡縮でき、微生物の付着や残留が少ない構造であることが必要不可欠である。当初微細加工で多くの貫通穴を形成させた窒化シリコン膜を有するシリコン流路（2）を活用して評価を始め、気液を並走させて室温で蒸発させる方式についての見込みを得たが、デバイス面積あたりの気液接触効率の低さが問題であった。そこで本研究では、多孔質膜を介さず微細な疎水性溝を多並列に配置して空気流路とし、その気液接触面積の向上を図った。