押込みクリープ試験法による改良9Cr-1Mo鋼溶接材のクリープ特性評価手法の開発

摘要

高Crフェライト系耐熱鋼は優れた高温特性を有し，発電プラントの高温配管などに広く使用されている.このような部材を使用した高温構造物のクリープ損傷は，クリーブ変形抵抗の低い溶接熱影響部(HAZ部)に生じることが多い.HAZ部は熱履歴や結晶粒成長挙動などの差から7つの領域に分けられ，それぞれの領域では固有のクリープ特性を有している.これらのことから，HAZ部の各領域でのクリープ特性を効率的に評価することが求められている.クリ一プ特性を評価する方法として，これまで引張クリーブ試験が一般的であった.し力、し，引張クリープ試験は高精度にクリープ特性を評価できるが，試験片寸法が比較的大きく，ある程度の大きさの試験素材が必要となる.そのため，HAZ部のような狭い領域で組織が変化するような対象には試験を行うことは困難となる.