2軸CHDY上での燃費試験－車両固定方法の繰り返し精度に与える影響

摘要

電動車両の回生制動の効果を実走行と同等に評価するには前後軸の負荷が正しく評価出来る4WD車用の2軸シャシダイナモメータ（以下CHDYと略記する）の採用が好ましいが，現実の2軸CHDY上の試験では，主にタイヤとドラム間に生じる機械損の不安定さによって，1軸のCHDYに比べて試験の繰り返し精度が大幅に低いという問題がある．筆者らは，回生制動の効果を忠実に再現する必要のあるHEVの効率評価試験法検討の一環として，2軸CHDYでの車両固定法が試験精度に大きな影響を与えることを明らかにし，この研究をベースに，省燃費タイヤを従来の無負荷転動時の転がり抵抗係数による評価に代わって，実負荷を模擬したモード走行時の燃費で比較評価する試験を試み，微小な差を比較する際の課題とその解決策について明らかにしてきた．本報では，前報で提案した電力負荷の影響除去方法についての改善策と，車両固定時の操舵軸固定反力設定方法に関連して道路勾配相当の横力の付与の適否についての検討結果について述べる．あわせて，操舵反力を管理するために曖機後に実施した定速走行時の操舵調整によるトラブルの可能性に