物語 交流電気トリー発生機構

摘要

6月の中旬に家田賞の候補になったとのメールをいただいた。このメールには驚いた。受賞などの場合「はからずも」が常套的に使われるが、筆者の場合はまさに「はからずも」である。家田正之先生は筆者にとって直接の指導者ではなかったが、同じ大学の同じ学科でテーマも近いことから直接その馨咳に接し、多くの教えをいただいた。博士論文の副査もしていただき「筋交いの弟子」と言っていただいた。そのお名前を冠した賞をいただけることは大変光栄に思う。受賞の条件として記念講演をしなさいとのことである。さて、何をお話したらよいのか。筆者は、研究というものを始めて以来、高分子絶縁材料の電気トリー発生機構を明らかにしたいと種々な実験を行ってきた。記念講演ではその物語をお話したい。物語であるので気楽に聞いていただければありがたい。