新機構·鏡像配置XY分離クランク機構を用いた極低振動高回転ガソリンエンジンの開発（第2報）

摘要

XY分離クランク機構は，著者等によって考案された新しい直線運動機構である．これは図1に示す構成をしており，従来のピストンクランク機構に用いられている揺動するコネクティングロッドを，クランク接続プレートとコンビネータの2つの機素に置き換えている．コネクティングロッドの揺動を無くし，クランク軸角度ごとのピストン変位を正確な正弦波とすることにより，高次の振動も打ち消すことが出来る．これによって，理論上サイドスラストロスは発生しない．一方，ピストンクランク機構を用いる内燃機関では，機構に由来するコネクティングロッドの動作が騒音や振動を発生させ，同時に一次振動や二次振動の原因となる．これらの要因による振動や騒音を軽減するため，バランスシャフトの使用，ピストンピンのオフセット，ピストンのスカート部の最適化など，様々な方法が用いられている．