運転中の会話によるドライバの覚醒維持手法（第2報）－ドライバの覚醒を維持する会話の基本構造検討

摘要

近年の自動車高度運転支援技術の普及にあっても，依然として居眠りに起因する悲惨な重大事故が後を絶たない．ドライバを覚醒させる技術については多くの手法が比較検討され，警報音や視覚的表示など実用化されている事例もある．一方，ドライバの覚醒状態を維持するための技術については，未だに確立されていないのが現状である．その理由としては，人間の特性である刺激への慣れや，刺激に対する煩わしさと刺激の効果がトレードオフの関係にあることが考えられる．したがって，慣れが生じにくく煩わしさの少ない刺激の選定が重要になる．ドライバを運転に適した覚醒状態に維持することが可能になれば，眠気に抗うドライバの苦痛や強い刺激提示による不快感をを排除できることが期待される．