自動車排気系の3次元熱流動解析に適用可能なターボチャージャータービン運動量モデルの開発

摘要

近年，自動車のエンジンルーム内の熱環境予測手法としてCFDによる排気管内外の3次元熱流動解析が一般的に行われており，エンジンルーム内の各種部品温度を15°C以内の精度で予測できるといった成果［1］も報告されている．しかしこれらの手法において，排気系部品の1つであるターボチャージャーは，CFD上でSLM法やMRP法による高速回転するブレードの再現を行う必要があり計算負荷が高くなるため，表面温度の実測値を境界条件として代入することで代用している．ハウジングの熱移動を考慮した一次元モデルを構築することでターボチャージャー表面温度を予測する簡易的な手法［2］も提案されているが，この手法ではターボチャージャー通過後の流れ場の変化を再現できないためターボチャージャー後流の排気管や触媒の表面温度を正確に予測できない．