連続鋳造法を用いた低環境負荷型の車体用アルミニウム合金板の開発

摘要

地球環境問題（温暖化，資源枯渇など）への対応を背景に現代の自動車社会において，燃費またはCO_2排出量に関する規制が厳しくなっている．これらの解決策として，各自動車メーカは，電気自動車（EV），ハイブリッド車（HEV），プラグイン·ハイブリッド車（PHEV），クリーンディーゼル車，天然ガス車等のいわゆる環境対応車の開発及び市場への導入に向けて取り組hでいる．特にEVは，石油燃料を使用せず，走行時に発生するCO_2がゼロであり，環境に与える影響が最も少ない自動車である．EVを普及拡大していく課題の一つに，航続距離があり，航続距離延長の方策として，車両軽量化·バッテリー性能向上·回生領域の拡大·消費電力の削減等が取り組まれており，その中でも車体軽量化技術の貢献度は大きい．2010年に投入したNissan LEAFでは，フード及びドアにアルミニウム合金板を採用し，大幅な軽量化を実現しており（Fig.1），アルミニウム合金板は，軽量化を進める上で，必要不可欠な材料と言える．