CT利用半導体レーザ吸収法によるリアルタイム2次元温度計測のエンジン排ガスへの適用

摘要

近年，地球温暖化や化石燃料の枯渇などにより燃焼機器の排ガス低減や燃費向上のための研究が多く行われている．燃焼サイクルを詳細にとらえることは非常に重要であり，燃焼現象を把握する上で重要なパラメータである温度分布計測のニーズが大きくなっている．例えば，エンジン負荷変化による排気ガス温度分布の違いやNO_x，THC，PMなど排気成分との関係，過度運転時の排気ガス温度分布変化などを明らかにすることが望まれる．このような計測が実現できれば，ディーゼル後処理の一つとして取り入れられてきている尿素噴射SCRにおける排気管内への尿素噴射の最適化や，排気ガス温度分布とDPF捕捉性能との関係把握によるDPF捕捉性能の向上などにも応用できる．また，排気管内温度分布が排気微粒子粒径に及ぼす影響を把握することによるナノ微粒子の挙動明確化や排ガス触媒の温度分布に起因する破損，性能の変化の解明による触媒効率の向上など，多くのニーズにも応えることができる．