自車前方道路曲率の時間変化に応じた加減速モデルの検討：G-Vectoringを応用したカーブ前減速に関して

摘要

見通しの悪いカーブ路を走行中，その道路曲率がドライバの予想に反して大きい場合，多くのドライバは懸命にハンドルを切増すことになる．このようなシーンでは，自車線内に留まることができず，車線を逸脱するケースがある．著者らはこれまで，「G～Vectoring制御」と呼ばれる車両の横運動に連係した加減速制御を開発し，実車試験による評価を行ってきた．G-Vectoring制御では，横加速度の変化（横加加速度）に応じて前後加速度が制御されるため，旋回開始に伴い，横運動に連係した減速度が発生する．これにより，高いアンダーステア抑制効果が得られ，旋回時に車線を逸脱することによる事故を減少できるものと期待される．またG-Vectoring制御は，ロールとピッチの連係が好適となり，違和感が少なく，乗り心地の向上にも寄与することが実験的，解析的に示されている．