ドイツと日本の自動車産業における天然繊維強化プラスチックの開発動向

摘要

1）ドイツでは主に欧州産の亜麻繊維が自動車に多く利用されている。日本では主に東南アジア産のケナフ繊維が用いられ，NFRP部品の拡大には，安定した繊維入手先の確保と低コスト化が求められる。2）日本でもドイツと同様に天然繊維の利点が認知され，その利用拡大を環境政策として推し進める必要がある。3）NFRPとNFRPの内装部品からは，微量な有機化合物が多数発生し，特有な臭いが生じる。今後，それらの消臭技術の開発が必要である。4）さらなるNFRPの利用拡大には，欧州とアジア諸国との間で成形技術や繊維栽培に関する協力関係が必要となる。