燃料電池ハイブリッド自動車における 交流インピーダンスに基づく含水量制御システムの開発

摘要

トヨタ自動車は，1992年から燃料電池ハイブリッド自動車トヨタFCHV(Fuel Cell Hybrid Vehicle）の開発に着手し，現在は量産化に向け，耐久信頼性，環境適合，小型軽量化，低コスト化，航続距離といった様々な商品性向上のための開発を行っている．今回，内燃機関に比べ不足していた航続距離の延長と，燃料電池の弱点である氷点下環境適合を実現するため，電解質膜の含水量という燃料電池の主要パラメータに着目し，交流インピーダンスに基づいた燃料電池の含水量制御システムを開発した．本稿では，含水量制御の基本概念と応用例，および，その実現手段である車載交流インピーダンス計測機構について報告する．