ジルコニア-セリア複合粉末を用いたプラズマ溶射皮膜の組織と熱的特性

摘要

筆者らは、粒径100nm程度のアルミナ粉末とジルコニア粉末を造粒した複合粉末を用いてプラズマ溶射法により複合皮膜を作製したところ、数ナノメーターサイズの結晶からなる複合皮膜が得られ、機械的特性の向上とともに、熱拡散率の著しい低下が認められることを報告した。アルミナよりも熱伝導率の低いセリアを用い、同様の手法によりジルコニアとの複合皮膜が作製できれば、さらなる低熱伝導化が期待できる。そこで、ナノレベルの組織を有するセリア／ジルコニア複合皮膜が作成の可能性と、その組織と特性について調査を行った。