フェライト系単結晶の加工硬化特性に関する研究－第2報 結晶塑性解析による大ひずみ域特性

摘要

単結晶の加工硬化特性に関しては，従来から実験により様々な発生メカニズムの説明がなされてきた．その多くはfcc系の単結晶材に関するものであり，特に転位と加工硬化特性との関係が詳細に検討された．一方，bcc系の単結晶材に関しては，第1報にてフェライト系単結晶を用いた単純せh断試験により，加工硬化，結晶回転，転位組織の発達の関係を詳細に検討した．本報では，加工硬化の発生メカニズムをさらに定量的に分析するため，結晶塑性モデルを用いた単純せh断解析により，せh断変形時の加工硬化特性について検討した．また，その結晶塑性モデルの加工硬化，結晶回転の予測精度について検討を行ったので併せて報告する．