空間光位相変調器を用いた空間非一様なプロジェクタ解像度変調

摘要

近年，凹凸のある三次元物体を投影対象とし，その形状に合わせた映像をプロジェクタにより重畳投影する，プロジェクションマッピングという技術が注目されている．これは，色，質感などの物体の見た目を変化させることができるため，現在では様々な分野で利用されている技術である．しかし，プロジェクタは一般に，光軸に垂直な平面スクリーンに対して映像を投影した場合に，投影面における画素密度が均一となるよう設計されている．このため，プロジェクションマッピングのように，非平面を投影面として映像を直接投影した場合，投影される画素に空間的な偏りが発生し，投影面上における画素密度は均一にならないという問題が生じる．既存の解決手法として，フリーフォームレンズ（自由曲面屈折層）を用いて，プロジェクタ投影光の解像度非均一化を行う手法がある．しかし投影対象が移動する場合，画素の偏りの補償に適切なフリーフォームレンズの形状が変化するため，この手法を用いることができない．そこで本研究では，動的フリーフォームレンズとして空間光位相変調器（Phase-only Spatial Light Modulator: PSLM）を用いることで，動的投影にも用いることができるプロジェクタ投影光の解像度非均一化を目指す．