決定属性値が不明確な決定表からのLEM2に基づくルール抽出

摘要

ラフ集合に基づくデータ解析法は，主に決定属性値が明確に与えられた決定表に対して開発されてきた．近年，不明確な知識や評価を積極的に利用しようとする観点から，決定属性値が不明確な決定表のラフ集合解析が検討されている．複数の評価者の不明確な分類意見を統合して，各対象に対して有望なクラスの集合と可能なクラスの集合を求め，これらに基づき上下近似などのラフ集合演算を導入している．また，いくつかの観点からの縮約や異なった意味をもつルール抽出[1] が提案されている．しかし，これらは知識発見アプローチに基づくもので，決定表に内在するすべての縮約やルール群を抽出することができるが，多くの計算量を必要とする．本研究では，決定表に内在するすべてのルール群を求めるのではなく，すべての対象を説明するルール群を求める機械学習アプローチに基づくルール抽出法を考察する．対象に対して有望なクラスの集合と可能なクラスの集合を推論する2 種類のルール抽出法を考察し，数値実験により単独手法および複合手法の推定精度を比較する．