Z接続法ゲイン最適化による多目的飛行制御設計－ロール角制御における最適レギュレータとの比較

摘要

多目的飛行制御設計の方法としては，H_∞制御，LMI による制御など各種方法が研究されているが，ここで提案する“Z接続法ゲイン最適化”による多目的飛行制御設計は，多くの問題に柔軟に対応できる実用的な方法である.Z接続法ゲイン最適化の方法は，制御系を構成する各ブロック要素の入出力情報をZ変数でつなぐことで制御系を構成して，乱数を用いてそのフィードバックゲインを100万の組み合わせの中から最適値を探索する方法である.これは，CFDが繰り返し演算によりナビエ·ストークスの方程式を満足するように解を求めていくのに似ており，繰り返し計算により飛行制御系の極·零点配置を多目的要求を満足するように求めていくモンテカルロ法である.この方法では，アクチュエータや時間遅れを考慮したり，フィードバックゲインだけでなくフィルタの時定数など複雑な制御系も容易に解析することができる.本論文では，ロール角制御系の設計について，最適レギュレータによる結果とZ接続法ゲイン最適化多目的飛行制御設計による結果を比較する.