紫外線で励起された光触媒と蛍光材料によるアルミニウム合金の研磨-紫外線励起加工の研究（U-RAM）（第13 報）

摘要

量子力学に則った加工法とはいかなるものであろうかという抽象的な概念から本研究は出発している．そこでは，電子と正孔の移行を積極的に利用して加工を行うという概念から，蛍光材料を溶かした水溶液中に二酸化チタンあるいは酸化アルミニウムを混入し，紫外線を照射しながら研磨を行ってきた．当初，銅の紫外線励起加工を行ったが，さらに，ごく平らな面や加工変質層の少ない表面を得ることを目指し，ニッケル円筒やニッケル微小円管の研磨現象を追究した結果を報告してきた．さらに，加工材料の対象を拡げるため，各種金属，超硬合金，炭素材料，酸化物，炭化物，窒化物などの紫外線励起加工を現在試みつつある．純アルミニウムやアルミニウム合金はリフレクターなどの反射鏡に使われている．それは光反射強度が大きいことによる．このような軟質金属の鏡面は通常SPDC により造られる．しかし，高価な超精密切削装置が必要でもある．そこで，粗加工を通常のダイヤモンド切削で行い，仕上げに研磨を施すことができれば，価格面で有利にたつことができると思われる．しかし，砥粒による通常の研磨は困難といわれている．ここでは，アルミニウム合金を化学研磨しながら，機械研磨を施すU-RAM 処理した結果を報告するものであり，有用な研磨法，研磨技術として確立することを目指す．