EEG を用いた運動意図の発現タイミングの解析～脳卒中リハビリテーションに向けて

摘要

本研究では, 健常者の自発運動を対象に脳波測定と運動測定を同時に行うことにより, 脳における運動想起の生成タイミングを抽出し, 運動想起のタイミングと運動開始のタイミングとの相対的な時間差を検出する. そして, BCI 技術を用いたアシストロボットの開発を行う際に, 運動を適切にアシストするためのタイミングメカニズムの知見として利用する. 運動に関連する脳波活動として, 運動前に電位がゆっくり減少する準備電位(RP)や運動前や運動中にα波帯やβ波帯で振幅が減少する事象関連脱同期(ERD)が知られているが, 本研究においては, 既存の方法よりも運動想起タイミングを時間精度よく検出できる解析方法を開発し,単発の自発的な運動に対する運動意図発現のタイミングを検証する.