MR-内視鏡システムにおける３次元的画像重畳手法

摘要

近年の現代医療では，患者に負担をかけない低侵襲治療が注目されている．管腔臓器に対する腫瘍の治療や，治療ガイドの高精度化のためには，従来の可視光内視鏡だけでは可視化できない組織の層構や血管走行，腫瘍の浸潤度などを抽出し，内視鏡映像と合わせて表示することが望まれる．このために，我々の研究グループでは，内視鏡映像と近接MR 画像を組み合わせたMR-内視鏡システムの開発を行っている．ここでMR 像と内視鏡像は互いに独立して取得しているため，両画像の位置整合が必要である．本システムでは内視鏡映像と近接MR 画像を同時に取得し，内視鏡先端の位置·姿勢情報に基づく位置整合，MR 画像を内視鏡映像に合わせた投影変換，内視鏡のレンズ歪みの考慮をすることで画像重畳を行っている．本報告ではMRI の勾配磁場を利用した位置·姿勢検出システム及びセンサーを用いて内視鏡の位置·姿勢検出を行い，この位置·姿勢情報を用いた画像重畳，および最終的な重畳における位置誤差の低減手法について述べる．