VTOL型実験機の線形時変システムによるモデリング

摘要

近年，固定翼機とヘリコプター双方の構造を兼ね備えたVertical Take Off and Landing(VTOL) と呼ばれる航空機の開発や運用が活発化している．高い機動性を有するVTOLは操縦が難しいため，自動制御においても機動性を有効活用するためには制御系設計問題が重要である．そのため，様々な制御系設計手法の研究がなされている．しかし，VTOLはファンによる空気の流れや発生推進力の非線形性の影響を強く受けているので，力学モデルにおける物理量の同定や線形時不変システムによるモデリングでは正確なモデルの取得は難しい．そこで本研究では，VTOLを模した小型実験機に対して，時変要素をもつ線形システムによりモデリングを行う手法を導入し，連続時間領域に基づく同定を実行する．そして，得られたモデルから制御器を設計し，制御実験を行うことにより手法の有効性を検証する．