塩添加噴霧熱分解法によるLaFeO_3ナノ粒子の作製

摘要

磁性ナノ粒子は様々な分野での応用が期待されているが，これまでの磁性ナノ粒子の材料開発は，単純にバルク磁性体をナノ粒子化することであり，磁化を示さない反強磁性体に注目し，そのナノ粒子化により新規磁性ナノ粒子の開発を目指した研究例はほとhどない。一方, 我々はバルクではほとhと磁化を示さないLaFeO_3が，ナノ粒子化により非常に大きな磁化を示すことを見出した［1］。酸化物磁性体の磁気構造は，磁性イオン同士の結合距離や結合角などの結晶構逝勺な因子に影響を受けるため，結晶構造パラメーターを制御することで）その磁気構造を大きく射ヒできるものと期待されている。しかも，ナノ粒刊ヒにより，粒子に占める表面の割合が高くなってくると）結晶の磁気構造そのものもバルクとは異なってくる可能性が高い。そこで本研究では，LaFeO_3ナノ粒子の結晶構造と磁気特性との関連性についてより系統的な評価をし，巨大磁化発現機構を解明することを目的としたその第一歩として，均一な粒子径分布かつ様々な粒子径を持つLaFeO_3ナノ粒子の作製を目指し，均一な粒子径分布を持つ複合微粒子の合成に実績のある塩添加噴霧熱分解法［2］を採用し，合成を試みた.