窒素固溶による非磁性ステンレス鋼を利用したニッケルレス磁性アタッチメントの開発

摘要

磁性アタッチメントは、義歯をはじめ、インプラントの上部構造やエピテーゼなどの固定にも利用され、高齢化社会での需要も期待されている維持装置である。閉磁路型の構造を持つ磁性アタッチメントでは、磁気回路を利用することにより超小型で維持力が高く、磁場の漏洩が少ない微を対が、磁性ステンレス鋼とニッルを含む非磁性ステンレス鋼をクラッド加工で高精度に組み合わせ磁気回路が必要となる。国産のカップヨーク型磁性アタッチメントを例にとると、構成材料全体に対するニッわレ含有量は0.3％未満であり、ニッケルイオンの溶出も検出限界以下であることが知られているが、安全性重視の国内外事情を考慮すると，ニッルを全く含まない閉磁路型の磁性アタッチメントの開発が切望されている。本研究では、磁性アタッチメントに用いられているSUS XM27フェライト系ステンレス鋼に窒素を固溶させて非磁性化した磁気シールド材料を作製し、従来のクラッド加工を排除したニッケルを含まない磁気回路を断カップヨーク型磁性アタッチメントの開発を目的とした。