MIMにより製造されたFe-Cr系軟磁性材料の腐食特性

摘要

Fe-Cr系軟磁性材料は耐食性と交流磁気特性に優れているため，産業機器, 家電, 自動車などの電紅弁や電子式燃料噴射装置に用いられている．軟酸性に優れ，なおかつ安価なFe－Cr系軟磁性材料が求められており，その1つとしてSUS430L鋼が挙げられる．SUS430L鋼に含まれるCrは，不動態皮膜を形成するため耐食性に優れている．粉末冶金の特徴ある手法を用いて，このSUS430L鋼粉と純鉄粉を混ぜ合わせることでより安価な軟磁性材料を作ることができるが，軟磁性特性は向上する1）が，耐食性が劣化することが予想される．本研究ではSUS430L鋼を鉄粉と混ぜあわせた，Cr量の異なる焼結材を用いて，分極曲線の測定とSSRT（Slow Strain Tensile)試験を行い，それぞれの腐食特性を調査した．