ガスアトマイズ法により作製した金属ガラス粉末とその固化成形

摘要

粉末冶金法はニアネットの製品を作製する方法として、また難加工性の材料を作製する方法として、古くから数多く用いられてきた。また近年では、材料の高性能化·高機能化に伴い、従来の鋳造法では解決できない課題を粉末冶金により解決し、高機能材料を作製する方法として用いられ、実用化できた事例が増えつつある。その中でもガスアトマイズ法は、工業的にも生産性、信頼性に優れた粉末製造方法として、量産規模で数多く用いられてきた。筆者らは、真空溶解炉を備えた不活性ガスアトマイズ法により、溶射。溶接用粉末、ショットピーニング用粉末などの構造材料から、リチウムイオン電池負極用粉末、電磁波吸収体用粉末などの電子材料および、粉末ハイス、磁性材料などの粉末固化成形晶など数々の粉末冶金関連製品を実用化してきた。筆者は、従来の鋳造法よりは凝固速度がはるかに大きいものの、超急冷アモルファスリボンの作製に必要なほど大きい凝固速度ではないガスアトマイズ法が、金属ガラス粉末の量産作製に適した粉末製造方法と考え、特に工業化という観点から、Fe系およびNi系の組成に着目し、金属ガラス粉末の作製ならびにその固化成形を試みた。