双リング式全方向車輪機構における軸受内蔵モデルの具現化と基礎実験：ヨー軸周り旋回速度の連続性向上の実機実験による確認

摘要

従来までに多様な全方向移動機構が提案·研究開発されてきた（例えば[1]-[6]，[9][10])．筆者らが考案·研究している球状全方向車輪「Omni-Ball」は，同軸上に向い合せに配置される半球状の受動車輪と，車輪ユニット全体を回転させる能動軸により構成されている［7］．一方，図1に示す位相が90°異なる2つのローラがオフセットを有する状態で配置された，ダブルローラ方式の全方向車輪機構がある[1][2]．本方式の場合，原理的には駆動軸回りとローラー軸回りでの路面からの距離が一定であるため段差踏破性においては優れている．しかし，2つの車輪がオフセットを有することから，駆動軸回りに回転させると接地点が離散的に変化するため，旋回速度が一定でなくなるという問題がある．