公的空間を対象とした安全·安心のためのネットワークロボットサービスの実現－RSNPを活用したシステム構成

摘要

近年，ネットワークを活用したさまざまなロボットサービスが提案されている．その一例として，ショッピングモールにおける施設案内や商品紹介，博覧会のコンシェルジュ，遠隔地にある大学キャンパスの見学，遠隔授業支援，高齢者の見守り，英会話学習の支援，などが挙げられる．これらのサービスは，いずれもネットワーク経由でサーバと連携し，ロボットがその存在感を活かして人間と積極的にインタラクションしながらサービスを提供する点に特徴がある．これらのサービスの利用形態に着目すると，特定の利用者によるロボットの占有の度合いの高さと利用者とロボットとのインタラクションの頻度に違いを見いだすことができる(図1)．ロボットを占有する度合いは，個人が自宅で利用するサービスでは高くなり，不特定多数を対象とした公共性の高い場所で提供されるサービスでは低くなる．インタラクションの頻度については，高いほどロボットと人間のインタラクションが密になり利用者の個別の要望にきめ細かく応えるサービスとなる．一方，サービス内容に着目すると，利用者に対する利便性の提供が主となるものと安全·安心の提供が主となるものとを見いだすことができる．図1 のサービス例においては，破線で示した高齢者の見守りが安全·安心の提供を主としており，実線で示した他のサービスは利用者に利便性をもたらすことが主になると考えられる．