北海道における災害と対応について―寒冷地における災害対応と津波減災

摘要

本報告では二つの内容に関して取り扱う．一つ目の内容は北海道に代表される寒冷な気候で人口密度の低い地域における自然災害対応が持つ特殊性についてである．これは，東京や大阪で生活している場合には意識されないことがらであり，日本列島の多様な地域的特性を災害対応においても考慮する必要があるとう観点から論じる．二つ目の内容は津波災害に対するロボット技術ついてである．これまで国内のレスキューロボット研究者の多くは，平成7年の阪神淡路大震災での被害の中心となった木造倒壊家屋からの救命救助活動の支援を想定して研究開発を行ってきた[．しかしながら昨年の津波の規模と被災状況は，より広範な災害対応の状況を想定することをロボット技術に求めている．