翼型チューブ内異径並列微細流路の長さが冷媒の分配と蒸発特性に与える影響

摘要

機器の省エネルギー化の観点で，空調機や輸送機器等，多くの用途を持つ熱交換器の高性能化が果たす役割は大きいと考えられる．本研究グループで提案している翼型チューブ熱交換器のチューブ気相側表面では，前縁効果により風上側の熱伝達が良好となる．よって，想定する冷媒側の並列微細2流路では風上側の方が風下側よりも伝熱量が多くなり，風上側流路に風下側流路よりも多くの冷媒を分配する必要がある．これには，風上側流路を風下側流路より大きい断面積にすることが1つの方法であると考えられる．この方法に関する基礎的な熱流動特性の評価を行ってきたものの，さらなる検討が必要である．そこで，本研究では異なる加熱量を与えた並列微細2円管に対し，加熱量，流路径，冷媒流量をパラメータにとり，テスト管長さが冷媒分配質量流量と圧力損失，蒸発熱伝達に与える影響を検討することで，異なる径の流路の有効性を確認することを目的とする．