アルミナ·酸化銅ナノ粒子を含む作動液を用いた平板型マイクロヒートパイプの伝熱特性

摘要

近年電子機器の小型化に伴い発熱密度化·高集積化が一層進展し，現行のマイクロヒートパイプで対応可能な熱性能の限界に近づいている．従って，マイクロヒートパイプにおいて，蒸発熱伝達率を含む性能面での更なる高性能化を図る必要がある．その試みとして，純水に金属のナノ粒子を懸濁させることで熱抵抗が低減されるというデータがいくつか報告されていることから，これをヒートパイプに適用することで性能向上につながる可能性があると考えている．本研究では，メッシュウィックを伝熱面に用いたプール沸騰実験によって金属粒子を懸濁させた各作動液での伝熱特性を把握するとともに，この結果から，平板型マイクロヒートパイプに金属粒子を含むナノ流体を適用し，アルミナ及び酸化銅粒子封入量2，4，6，8mass%の4 サンプルを用い，封入量の差異による影響の検討を行った．これにより，ナノ粒子のマイクロヒートパイプへの適用可能性についての判断を行うことを目的とする．