植物工場における環境測定とレタスの生育評価

摘要

近年，異常気象による作物生産の不安定や，人口増加による食糧不足により，安定して安全な作物を供給できる植物工場が注目されている．完全人工光型植物工場は閉鎖空間において，温湿度，光，二酸化炭素濃度等の環境条件を制御し，作物を栽培する生産システムであるが，その作物の価格は初期費用や管理費用などが原因で露地栽培産に比べ高くなるため，栽培環境を最適化し作物の生育速度および歩留まりを向上させることが必要である．最近では，インターネットで広範に普及している通信規格で統一された計測器を一括で管理，操作を行う環境制御が有効活用されている．しかし，実栽培環境での環境測定の結果から作物の生育具合を評価した知見は少ない．本研究では，研究対象となる大規模植物工場で生産されるレタスの生育具合の不均一さの改善を目的としており，栽培室内の環境測定および栽培レタスの収穫，測定を行い，生育具合を評価した．