CZ酸化物単結晶成長時の固液界面形状に及ぼす3次元非定常融液内対流の影響

摘要

酸化物単結晶は、電子デバイス材料、固体レーザ材料、光学素子など広く産業界で使用されており、その多くがチョクラルスキー（CZ）法により育成されている。酸化物単結晶の品質は融液内対流をはじめとする結晶育成炉内の輸送現象と密接に関係するため、結晶の高品質化に当たってはCZ炉内の諸現象を十分に把握し、制御する必要がある。近年、CZ炉内の諸現象を理解する有効な手段として数値シミュレーション、特に炉内構成要素全てを考慮した総合熱解析が注目され、多くの研究が行われてきた。しかし、その全ては融液内対流を軸対称、定常状態と仮定した解析であった。一方、育成される単結晶の大口径化に伴い、融液内対流が3次元非定常化することは良く知られており、従来の軸対称定常モデルには限界がある。そこで、本研究では、融液内対流の3次元非定常性を考慮した総合熱解析手法を開発し、固液界面形状等に及ぼす操作条件の影響を検討したので報告する。