洋上変電所の不要な直列接続方式ウインドファームの多端子高圧直流送電システム: 電力系統のレジリエンス向上のための電流形送電システムの提案

摘要

洋上風力発電はいわゆるカーボンニュートラルを達成する切り札として期待されており、世界各国において洋上風力発電システムの開発が活発である(1)。最近では、従来のLCCを採用した洋上風力発電システムに代わり、自励式電力変換装置を採用したHVDC システムが盛hに開発されている(2), (3)。一般に、自励式HVDC システムは個々の風力発電機の出力を集電／統合して洋上変電所に設置した大容量変換器により昇圧し、送電電圧一定のHVDC システムにより陸上に送電する電圧形システムである。この方式を利用すれば、陸上の電力系統より洋上の直流送電線（電圧一定）を経由して他の陸上の電力系統への送電が可能となり、いわゆるレジリエンス強化などに貢献可能である。