Siフォトニック結晶光偏向器のビームコリメート用プリズムレンズ(Ⅳ): レンズサイズの拡大

摘要

我々はSi格子シフトフォトニック結晶導波路 (LSPCW) による非機械式光偏向器を開発している． LSPCWから出射される光ビームは，波長掃引や熱光学効果により導波路に沿った方向の角度を5°～32°の範囲で偏向する（バンド端のノイズを避けるとθ = 10°～30°が利用しやすい）．この光ビームはLSPCWと直交する方向には扇状に広がるので，コリメートレンズを用いてこれを平行化する．また，アレイ状に並べた複数の LSPCW のうちの一つから光を出射し，レンズ中心からのオフセットを利用して方向偏向を得る．前回までに，θに無依存なコリメートを可能にし，かつθを 0°～20°の範囲に変換して，LSPCWへの光の入射方向切り替えとの組み合わせでθ'=−20°～20°偏向を実現するプリズムレンズを設計，製作し，遠視野像の観測を行った 2)．今回は出射光の導波路方向拡がりの影響を抑制し，かつLiDAR応用した際の遠方からの戻り光の受信効率を高めるために，サイズを拡大したプリズムレンズを新たに製作し，スクリーンに投影したスポットを観測した．