Layer-by-layer法により作製したCdTe量子ドット超格子における発光ダイナミクスの温度依存性

摘要

コロイダル量子ドットは量子サイズ効果や表面効果に基づいたナノ構造特有の興味深い物性を示す。そのため、光触媒やディスプレイ、バイオイメージング、太陽電池、光検出器、LEDなど、様々な分野でその応用が期待されている。量子ドットのデバイス応用に向けては、量子ドットが規則的に配列した量子ドット超格子の作製と、量子ドット超格子において生じる量子ドット間相互作用に基づいたキャリアダイナミクスを理解することが重要である。特に量子ドット表面間距離が約2 nm以下まで近接し電子の波動関数の結合（量子共鳴）が生じた場合には、エネルギー状態は拡張状態（ミニバンド）を形成し電荷輸送特性が劇的に向上するため、ミニバンドの形成に基づいた光物性を明らかにすることが重要である。