人間中心設計プロセスを応用した木製玩具デザイン手法

摘要

我が国では，木製の玩具が昔から子どもが遊ぶおもちゃとして親しまれてきた．木製の玩具は環境に優しく，我が国の豊富な森林資源の利活用を促進できる可能性がある．筆者による，幼児の保護者へのアンケート調査結果では，木の玩具は長持ちし，安心・安全であると肯定的な意見が多数寄せられており，現代の子どもにも受け入れられる可能性が示唆された．筆者は，このほか，安全で子どもの知育や心と身体の成長を促す様々な教育的効果が備わっていることを，既存製品の分析やプロトタイプ実験により実証し，木製玩具の教育効果体系の構築を試みた．その研究課程で構築したデザイン手法を用いると，学生らデザイン初学者にとっても，子どもや保護者のニーズに適合した教育効果のある木製玩具の制作が容易になることが分かった．