X 線CT 法を用いた凍結融解作用によるモルタル内部の体積変化に関する基礎検討

摘要

凍害の局所的な劣化メカニズムには有力な理論が提案されているが，供試体内部の劣化進行過程を計測した研究は少ない．劣化進行過程の解明は，構造物の適切な現状把握と維持管理計画に有効だと考えられる．本研究では，X 線CT 画像を用いた凍結融解による供試体内部での劣化進行過程の解明のための基礎検討として，水中凍結融解時の目標空気量0，3 および8％のモルタル供試体内部における体積ひずみ変化を考察した．その結果，目標空気量0%では供試体内部で膨張ひずみが増加する過程が計測され，その膨張ひずみは空気量の混入により減少することが示された．