直径5 µmプローブ電極デバイスによる糖尿病モデルマウスの長期脳計測

摘要

糖尿病等の血管障害を発症している脳組織からのニューロン計測では，数十 µm 以上の現在の市販電極では形状が大きく，その電極刺入による脳組織の物理的な損傷を抑えることが課題とされている．そこで本研究では，糖尿病モデルマウスを用いて半導体Si結晶成長法により製作した直径5 µmプローブ電極の血管障害等の異常な脳組織におけるニューロン計測の可能性を評価した．電極の物理的な損傷を比較するため，市販のタングステン電極とSiプローブ電極を糖尿病モデルマウス脳に刺入し，出血量を観察した．また，invivo急性計測を行いSiプローブ電極の信号取得能力を確認し，invivo慢性計測では，Siプローブ電極が糖尿病モデルマウスの長期的な神経計測において十分に使用可能であることを確認した．