半導体レーザーによる高ピークパワー狭線幅光パルス発生の動的機構

摘要

柔軟に波形制御可能なサブns〜サブμs光パルスを発生できる光源は，バイオメディカルイメージングや微細レーザー加工を始めとして応用範囲が広く，早期の技術確立が求められている．我々は利得スイッチング半導体レーザー（GS-LD）の制御に基づいてその研究開発を進め，外部から光注入を行う GS-LD が大きな可能性を持っていることを示してきた[1-3]．応用の視点からは，GS-LDへの光注入同期（IL）動作に基づく，狭線幅の発振スペクトルと同時に高ピークパワーでかつスムースな形状の光パルス発生機能に特に注目している．しかし，ILGS-LDの動作条件を変化させた場合に，バースト状光パルス（BOP）の発生やカオス的動作も観測されたことから[2, 3]，一連の動作の機構とそれらの安定性について理解を深める必要が高まっている．今回，実験および理論の両面からILGS-LDの動作機構に関して調べたので報告する．