浮体構造物は洋上プラントや海洋再生可能エネルギーを支える重要な基盤技術であり、その運動特性を精度良く予測することは、構造物を合理的に設計し、設置コストやメンテナンスコストを削減するために不可欠である。スパーやセミサブといった浮体では円筒形状の構造物が水面を貫通するように配されているが、そこに流れが作用して動揺を引き起こす渦励起運動について、現状の浮体設計ではほとhど考慮されていない。このような浮体の多くは直径に対して喫水が小さい低アスペクト比であるため、下端部や自由表面の影響を受けやすいという特徴がある。低アスペクト比浮体の端部影響についてはGonçalves et al. (2015)やFukuoka et al. (2016)が流体力計測実験により定量的に示されている。一方、自由表面影響についてはHay (1947)やChaplin and Teigen (2003)が水面を貫通する円筒に作用する抗力を定量的に示している。しかしながら、実験の多くが高アスペクト比かつ高Froude数に限定されており、本研究で対象とするアスペクト比2以下かつFroude数0.5以下で知見が少ない。
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