新幹線き電設備の中セクションに関するサージの研究

摘要

新水上SPで発生した50C-SN1の不要動作は切替遮断器投入時のサージ現象によりき電ケーブルシースに大きいサージ電流が流れ、それによるノイズ電流で保護リレーが動作したと考えられる。現在は当時のメカ型配電盤からME配電盤に設備が更新され、新たに採用されたディジタル式保護リレーは、A/D変換部にアナログフィルタが設備されている。このフィルターはローパス特性を持ち、ノイズ電流に多く含まれる高周波成分を除去することができる。しかし、基本波分ノイズ電流が10数mS以上継続した場合、不要動作する可能性が考えられるため、この対策として、50Cの動作にオンディレイタイマを追加することで、ノイズによる不要動作を抑制した。また、44Fまたは50F動作時に、このタイマをバイパスするロジックを追加し、ケーブル故障を正常に検出できる仕様に変更した。