新幹線ポリマ碍子の保全手法に関する研究

摘要

トンネルの発熱調査では、導入から15年以上清掃を実施していないポリマ碍子に変化が見られなかった。漏洩電流測定を実施しても劣化の兆候が認められなかったことから、ポリマ碍子の性能の高さを認識する結果を得ることとなった。本研究の結果からポリマ碍子の保全方法について、漏洩電流とリーク音、発熱には相関関係があることが確認できた。リーク音の測定では、トンネル内の騒音に左右されるため明確な判断基準を得るのは困難であると考える。一方、サーモカメラによる発熱測定を実施し周囲と温度変化を比較することは容易であり、異常の有無をサーモカメラ画像により判断できる。このため、き電中のポリマ碍子をサーモカメラにより撮影し、その温度状態を確認する保全方法が有効であると考えられる。