脳卒中後遺症者の動作体験ワークショップのための腱振動刺激ツールのデザイン

摘要

脳卒中は脳の血管障害によって生じる疾患の総称であり，日本の65 歳以上の介護原因として認知症に次いで多い[1]．脳卒中後遺症として代表的な麻痺は，筋硬直や制御不能な筋の動き，皮膚や関節の感覚の異常など，様々な症状を呈する．これらの症状を抱える患者の身体像を想像することは，障碍のない人には難しい[2]．一方で要介護者が増加し続けている現状や[1]，7 割以上の人が自宅で介護を受けたいと回答した調査結果がある[1]．このような状況の中で，専門家のみならず，患者の家族などが患者の抱えている生活の難しさを考える機会のひとつとして，麻痺体験装具を利用したワークショップ（以下WS）が挙げられる．