情報資源分布と画面遷移のユーザ作業に対する構造的適合性に基づくユーザビリティ推定

摘要

インタフェースのユーザビリティを評価する方法は，テストユーザに実システムまたはそのプロトタイプの操作を体験して評価させるユーザテスティングと，ユーザビリティ専門家が評価するインスペクション法に大別できる．ユーザテスティングは実際にユーザが機器を操作するため，開発者が見逃しがちな問題点や説得力のある情報を得ることが可能であるが，適切なテストユーザの確保やテストの実施に時間とコストがかかる．また，少なくとも試作品やプロトタイプが製作されている必要があるため，ユーザテスティングは開発初期段階での実施が容易ではない．これに対してインスペクション法は，ユーザの確保やプロトタイプの製作を必要とせず，ユーザテスティングに比べて短時間・低コストで実施できるため，その重要性が高まっている[2]．しかし，インスペクション法は専門的な知識と経験を兼ね備えた評価者による実施が前提で，人員の不足や評価者間のばらつきなどのために，適切な評価を一貫して行うのは容易ではない．この問題に対しては，アルゴリズム化された手順でインタフェース設計を分析できる手法が有望な解決策である．