実データに基づく配電系統モデルのループ運用時におけるHVRの制御法の有効性

摘要

これまでは負荷パターンを均一なものと仮定し，シミュレーションを行ってきた。本論文では，より配電系統の実態に即した検証として実系統モデルにHVEとSVRを適用した。そして，目標電圧の決定手法としてLDC方式を検討し，提案手法が適用できるか検証を行った。その結果，PとQの両方を用いたLDC整定式を用いることで実系統でもLDC方式の適用が可能であることが分かった。また，ループ系統で用いる場合では文献(1)で提案したSVRのタップごとにLDC整定式を算出し，切り替えを行うことで実系統モデルでも電圧の推定精度が向上し，適切に制御ができることを確認した。本論文では，SVR2の動作回数は少ないがSVE1の動作回数が多くなつてしまった。今後はループ系統における上位側のSVRの動作回数について考えていきたい。