ヤマトシジミ統合モデル構築について

摘要

宍道湖のヤマトシジミは漁獲量が全国1位を誇る島根県の重要な水産資源である。しかしながら、資源量には大きな変動が見られ、2012年には過去最低のレベルに落ち込むなど漁家経営に深刻な影響が生じた。一方、翌2013年には6月の資源量2万トンが10月には7万2千トンまで増加する現象が確認されている。宍道湖におけるヤマトシジミの資源量の変動については、「宍道湖保全再生協議会」の調査研究の中で、2012年と2013年の夏季の塩分濃度の違いとそれに起因する植物プランクトンの優占種の違いが主要因ではないかとの推論のもと、各種室内実験や解析が進められた。