アルミナ－スピネル系複合材料の高温塑性変形: マグネシアおよびスピネル添加の影響

摘要

酸化物を微量添加した微粒子からなるアルミナの高温下の塑性変形については古くから研究されており，その報告例も多数ある1), 2)．これまで本研究グループでは，マグネシアやジルコニア等を微量添加したアルミナについて変形試験を実施し，変形挙動の解析を行ってきた．単体のアルミナは焼成時に異常な粒成長（静的粒成長）が発生するが，添加物を含hだアルミナは粒成長の抑制が可能である．しかし，塑性変形時には動的粒成長の影響で試料のひずみ量が増加するに従い変形応力が上昇していく（ひずみ硬化）．また，ジルコニアを添加したアルミナは単体のアルミナに比べて高応力で高温変形するのに対し，マグネシアを添加したアルミナは低応力で変形が可能であることも知られている．このように，アルミナの高温変形に関しては多くの研究事例が報告されているが，未だに未解明点が多いのが現状である．