金属-高分子表面活性化接合：金属表面のナノスケール凹凸と単分子膜被覆の効果

摘要

有機-無機異種接合では，表面平滑化が接合良否の鍵を握る．原子平坦面では表面を水酸基終端化するだけで室温接合できたが，10nm オーダーの凹凸があるだけでも，無機材料表面への有機単分子膜の被覆と70〜100°Cまでの加熱を必要とした．有機材料と無機材料では熱膨張率の差が大きく，加熱した場合には熱応力を緩和できる薄さのフィルムとの接合に限られるが，アルミニウム以外も，ガラスや銅，シリコンなどと，少なくとも剥離試験において接合したCOP フィルムが破断する程度の強度で接合可能なレベルにある．接合強度や寿命，耐環境性などの点にはまだ不十分な点があり，今後の課題である．