皮膚組織ひずみ計測のための柔軟物の多層構造とMEMS多軸力複合センサ出力の相関性評価

摘要

超少子高齢化社会を迎え，医療費の増大や介護の負担増大が懸念されている。そこで，癌や内臓·皮膚疾患などの早期発見のための触診の自動化や，介護負担軽減のための要介護者の褥瘡リスクモニタリングが期待されている。これらにおいては，皮膚の外部荷重による圧縮·引張·剪断変形を計測することが必要であるが，それだけではなく，うっ血や血流阻害，炎症などによる皮膚変色も同時に検知することが求められる。さらに，皮膚組織は硬さの異なる多層で構成された柔軟な構造であるが，皮膚内部変形の評価のためには，各層の硬さや厚みの情報を含hだセンサ出力の取得が重要である。これまで，我々のグループでは単一の素子で光と多軸力を複合検知可能なMEMSセンサの研究及び，本センサを見た目や触り心地を含む表面質感の測定，ロボットハンドによる柔軟な把持制御への応用を考え研究を行ってきたが，新たに対象物の色が変化する場合の出力変化と，多層構造柔軟物に対する依存性を評価したので報告する。